基本的にはコーヒーを飲みながら読書をしますが、時々ひっそりとした空間でお酒を飲みながら本を読むこともあります。
酩酊してしまうと思考力が下がるのであまりおすすめはできませんが、そんな時の選書は、読みやすいことと、登場人物が自分よりも酒を飲んでいることを基準に選んでいるようです。
おすすめの2冊
おすすめはそれこそたくさんありますが、今回は下記の2冊をご紹介します。完全に私個人の趣味なので参考までにどうぞ。
今夜、すべてのバーで|中島らも
上品なタイトルに聞こえますが、その中身は主人公の小島がアルコール性肝炎で入院している様子を描いたアル中を脱却する物語です。
小島は35歳で、18歳の頃から一日も欠かさずに酒を鯨飲し続けるような人生を送っていました。そんな小島もアル中について様々な情報を得ようと書籍を調べはじめますが、本の中の酷いアル中の事例を呼んでいくうちに自分と比べるようになります。
要するに自分が「まだ飲める」ことを確かめるために調べている状況になり、遂には「アル中を肴に酒を飲む」ようになってしまいます。
そんなこの本を酒を飲みながら読んでいると「わかるわかる」と思ってしまい、自分は全然マシなんだなという気持ちになります。いやはやそれは良くない、というのはわかっているのですが、そうやって読んでしまうところがあります。また、単純に著者の文章は魅力的なので素面で読んでも面白い作品なのです。
へらへらぼっちゃん|町田康
こちらは芥川賞作家である町田康氏のエッセイ。売れる前の日常が描かれていますが、これを読んでいると全てがどうでも良くなるような、そんな魔力を秘めた作品です。
昼から芋焼酎のお湯割りを湯呑に入れて飲んでいる時、テレビのなかの時代劇では悪者がバサバサと切り倒されていく、そんなシーンが特に印象的です。日頃のストレスを酒を飲んで忘れたい人も多いでしょう。そういう人には特におすすめです。
酒と自由について
私は会社員なので週に5日勤めに行くことが社会的な義務です。その社会的義務が上述の2冊の様に度を越した酒乱にならずに済む要因なのかもしれません。そう思うと日頃の仕事にも新たな意義を見出せるようになったりもするとも言えます。たぶん。
会社員を長年続けていると、どうしても拘束されている感じが強くて、自由になりたいとしょっちゅう思います。しかし自由になったらなったで酒を飲んで日々を過ごしてしまうかもしれない。仕事以外に自分が熱中できる何かがないと、逆に自由に押しつぶされてしまうかもしれない。
そんな余計なことを最近考えていました。どうでもいいと思われるでしょうし、考え過ぎだとも思われる気もします。
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最後に
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