2021年に読んだ本のなかからおすすめの本を5冊紹介します。今年もコロナウイルスによる外出制限のため、外出をする機会が少なく時間を持て余してしまうことが多くありました。ただそれはネガティブな捉え方だけではなく、本を読むことが好きな人にとってはある意味で良い環境だったかもしれません。僕にとってはそういう側面もありました。しかし外出制限で気持ちが暗くなっていたのは事実です。そんな時に小説を読むことが精神的な支えになり今年も何とか乗り切れそうな気がしています。
ということで、読書の価値を再確認した1年、今回は小説編としてご紹介させていただきます。どうぞ。
2021年に読んだ本・おすすめ5冊【小説編】
※順番はランキングではありません。
※5選は個人的な感想を判断基準にしているのでご参考までにどうぞ。
①セロトニン/ミシェル・ウェルベック
2019年発売の作品で当時早速購入して読んでいたのですが忙しくなり挫折していました。そのため今年の外出制限中に連休を利用し、初めから一気読みで読了してます。正直こんなにも心がぐったりする小説は珍しいと思います…。「鬱小説」とでも言うのでしょうか、そんなジャンルが仮にあるのだとしたら個人的には本作が「鬱小説」第一位です。しかしそれでも本当に面白かったので今年の第一位とします。
②クララとお日さま/カズオ・イシグロ
カズオイシグロがノーベル文学賞受賞後に初めて執筆する作品ということで、さっそく購入して読んでみました。AF(Artificial Friend)のクララを通して描かれた近未来は僕には少し絶望的に見えてしまいました。みなさんはどうだったでしょうか。
新作でも「信頼できない語り手」を堪能することができた良作でした。
③日の名残り/カズオ・イシグロ
クララとお日さまの発売によって書店でもカズオイシグロのフェアが多く展開されていた印象です。そういえば代表作「日の名残り」を読んでいないということに気づき、これを機に読んでみたところ驚くほど感動してしまいました。
自分にも人生を振り返る瞬間がおそらく訪れるわけですが、その時に今の生き方をどう振り返るだろうか、そんなことを考えるきっかけになりました。
④肩をすくめるアトラス/アイン・ランド
おそらく巷でも密かに話題になっていた「肩をすくめるアトラス」。非常に長かったですが(500ページ以上の文庫版で3冊)今年中に読み終えることができました。
本作には優秀な登場人物たちが演説をするシーンがいくつか出てきます。ここでの演説は何度も読み返す価値のある深い深い哲学的な内容で、これからの人生にも大いに役立ってくれそうです。
⑤杉の柩/アガサ・クリスティー
時間を持て余した時には「ミステリ小説でも読んでみようかな」と思うようです。そこで僕もアガサ・クリスティーを読んでみようと思い、せっかくなら代表作ではない隠れた名作的なものを探し、そしてこの「杉の柩」を手に取った次第です。そしてその名作ぶりに見事に大感動することとなりました。エンタメ性もさることながら登場人物の心理描写にも深い考察がされていて深みもあります。
クリスティーは多作なので読破はなかなかに難しいですが、他の作品もコツコツと読み進めていこうと思います。
最後に
2021年に読んだ本のなかからおすすめの本を5冊紹介しました。昨年と今年ほど自宅に籠る時間が長かったことは今までにあまりなく、精神的に疲弊した方も多かったかと思います。僕も心底疲弊してしまいましたが、本を読む営みを今まで続けていたため、何とか心を枯らさずに踏ん張ることができたのかと感じています。
上記5冊は来年読んでも遠い将来読んでも面白く読める作品です。気が向いたら何かの機会に読んでみてください。
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