天才作家とも奇才作家とも呼ばれる中島らものおすすめエッセイを5冊に絞って紹介します。もともとコピーライター時代に連載を持っていたこともあり、多数のエッセイを執筆されています。
涙よりも笑いを愛する中島らも。涙が出るほど笑える話や彼の生い立ちや人生観を知ることができます。
天才作家、中島らもについて
兵庫県尼崎市に生まれた中島らもは、友人からの誘いを「ガンジーの伝記を読んでるからダメ」と断る様な小学生だったそうです。その後、山田風太郎やコナンドイルの作品に衝撃を受け、名門灘高校在学中にはバンド活動にも熱中します。
大学卒業後にはコネで入社した印刷会社で働き、20代後半には退職してコピーライターを目指すようになります。その後、広告代理店に再就職した中島らもは制作企画なども担当し、世間からも注目を浴びる存在になります。
1987年には独立して作家活動を本格的に開始。多くのエッセイや小説を残し2004年に52歳の若さで亡くなってしまいました。
中島らもの小説を読んでいると奇想天外な発想から天才であることを強く感じ驚いてしまいますが、エッセイは非常に日常的であり笑いに溢れています。多くエッセイを読んでいくうちに、そんな彼の人間像が少しずつ浮かび上がってくることになり、小説を読む時の楽しみにも繋がります。
おすすめエッセイ5冊
まずは気になるものを片っ端から読んでみて、大いに楽しんでいただきたいと思います。さっそく5冊紹介いたします。
⑤さかだち日記
さかだち日記の「さかだち」は逆立ちではなくて「酒絶ち(さかだち)」。お酒を辞めていく日常を日記形式で書いたエッセイ。本人も「勝ったり負けたり」と言って時には飲んでしまう、飾り気の一切ない愉快な禁酒エッセイ。
④恋は底ぢから
自称恋愛至上主義者の中島らもが描く、恋愛をテーマにしたユーモアに溢れるエッセイ。「その日の天使」という素敵な話が収録されています。
③愛をひっかけるための釘
人の出会いと別れについて哲学的な内省をしつつ、最近ニンニクにハマってしまったという日常を書き綴った作品。タイトルの「愛をひっかけるための釘」は、イギリスかフランスの詩人による「男とは所詮愛をひっかけるための釘のようなものだ」という格言からとったそう。詩人への異論の意味も込めてパクったとのことです。
②僕にはわからない
世の中の「わからない」ことに対して、勇気と無知を宣言して深く考えていく哲学的エッセイ。「人は死ぬとどうなるのか」「「偉人」は何がエラいのか」「なぜ人間は無知なのか」など。僕のお気に入りである「アイスクリームと楽園」という話も収録されています。
①砂をつかんで立ち上がれ
中島らもが今までに読んできた本について熱く語る本読みのためのエッセイ。一般のブックガイドとは一味違うディープな一冊。これを読むと読書をより好きになります。
最後に
中島らものおすすめエッセイを5冊紹介しました。他にもたくさんあるのでいつか紹介したいと思います。どれから読んでも問題ないので、気になった作品から読んでみてください。
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