私は残念なことに高収入ではないので、経済的な観点で言えば仕事よりも日常生活での節約に力を入れて過ごしています。
仕事で成果を挙げて尚且つ報酬に反映されるということは、個人の力以上に組織の事情が大きく関わってしまうためです。個人の成果にしっかりと給与を反映できている会社もあるとは思いますが、多くの会社ができていないと思います。
しかし節約して自分の手元に残るお金を増やすことなら、自分次第でいくらでもできます。会社の文句を言うのにはもうすっかり飽きてしまったので、自分にできることから始めていこうと思った記憶があります。まずは節約から始めました。初めてみると節約はとっても楽しいということにも気付けるはずです。
節約マインドが身につく本のご紹介
さて、冒頭で書いた様な考えに至った私が、節約マインドを身に付けることができた本を2冊ご紹介します。
自信を持って大いに役に立つとご紹介はできますが、具体的な節約方法やノウハウが書かれている訳でなく、あくまでもマインドが身につくという観点でお読みいただければ幸いです。
となりの億万長者|トマス・スタンリー
アメリカでベストセラーとなった本で、日本でも現在に至るまでロングセラーになっている本です。この本はよくある「マネー本」ではなく、当時のアメリカのミリオネア(億万長者)達の日常を著者が徹底調査してまわった記録が書かれています。
億万長者と聞くと豪華な暮らしぶりを想像しますが、この本を読むとそのイメージが一気に変わることになります。「となりの」つまり本当の億万長者たちは、高収入を得ることではなく節約生活によってミリオネア入りをしていたのです。
本書の登場人物には3000万円を超える年収を得ながらも激しい浪費癖がある医師や、職業柄身に付けるものを全て一流のものにせざるを得ない弁護士など、支出が大きいために貯蓄がなく将来の不安に襲われている高所得な人物が大勢登場します。
一方で、公立教師をしながらこつこつ貯蓄と投資を継続して50代でミリオネアの仲間入りをした夫婦も登場します。要するに、資産というのは収入の多寡ではなくて「収入ー支出」という計算式から算出されるということが身に染みてわかるようになるのです。
この読書体験から質素であることの意義を感じることができれば、あとは実際に行動に移すのみです。少しずつ思考を行動に変えていき、資産を増やしていきましょう。尚、本書には「倹約、倹約、倹約」という章もあるので要チェックです。
予想どおりに不合理|ダン・アリエリー
近年話題になり始めた「行動経済学」についての本で、その人気の火付け役となった本だと思います。少なくとも僕はこの本が文庫化された時に読んで行動経済学のことを知りました。
行動経済学とは簡単に言うと、今までの経済学に人間の心理を織り込んだものです。消費者の不合理な商品選択についても実験を通して実証するため、今までの経済学では説明ができなかったことまでしっかりと説明してくれます。
何故この本が節約に効くのかと言うと、非合理的な買い物を防ぐことができるようになるからです。行動経済学を学ぶことを通して、自分が商品を買うときに正しい判断ができるようになります。
本書の第3章に「無料!の力」という話があります。いかに消費者が「無料!」に飛びついているのか、多くの実験を通して説明してくれます。配送料が「無料」なので買った商品が実はそれほど必要なかったり、一杯目「無料」の居酒屋に入って食事をたくさん注文して結局予算オーバーになってしまったり、そういった経験は誰でもありますよね。
そういった自分自身が行ってしまう不合理な商品選択を防ぐために、行動経済学は大いに役にたつはずです。私もこの本を読んだおかげで、スーパーの半額のお惣菜を見つけた時など「半額ではあるが、他のものを自炊した方が結局安い」と考える癖が付き、「お得感」に負けない商品選択ができるようになった実感があります。
節約マインドはほどほどに
今回紹介した本で節約マインドを身に付けた方々には、ぜひすぐに実行してほしく思っています。そして貯まったお金で人生を有意義に過ごしてほしいと願っています。
しかし、時々陥ってしまうのが、節約することが目的になってしまうことです。それでは本末転倒になってしまうので、節約マインドはほどほどにしながら人生を豊かに過ごしていきましょう。
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牛乳の賢い商品選択について書いています。
酒を飲んでしまう不合理な行動をする方にはこちら。
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最後に
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