P.F.ドラッカー『断絶の時代』紹介と感想

P.F.ドラッカー『断絶の時代』紹介と感想P.F.ドラッカー
P.F.ドラッカー『断絶の時代』紹介と感想
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 経営学の創始者であり、「経営の神様」や「マネジメントの父」と呼ばれるP.F.ドラッカーの『断絶の時代』を紹介します。1969年に出版された本書は、当時から現代、そして未来へと続く「断絶の時代」を予見し世に警告した歴史的名著と言われており、「鉄の女」として知られるサッチャー首相に影響を与えた本としても知られている一冊です。
 そして何より面白いです。更には面白いだけでなく、今読んでも世の中を考える際にとても役立つおすすめのビジネス書なのでぜひ読んでみてください。

本書から学べること

 『断絶の時代』で描かれていることは、社会が新たな変化に面していることを分析し、そこで生じる断絶にどう向き合うかを問いています。ドラッカーによれば、この断絶は1965年ころに始まり2025年頃まで続くとのことです。
 今だからこそ、いち早く断絶の時代を予見していたドラッカーの先見の明から多くのことを学べることができるように思います。本書から学べる事を簡単にまとめてみたので、ぜひ参考にしてみていただけますと幸いです。

本書から学べること
  • 現在まで続く社会断絶を理解できる
  • グローバル化の時代についての考察
  • 組織社会・知識労働の時代であることの認識
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現在まで続く社会の断絶を理解できる

 本書が書かれた当時は世の中が激変していく実感が世界を覆っており、新しい時代が到来することと同時に断絶が生じるであろうことがドラッカーには推測されていました。ドラッカーが主な断絶として挙げているのは以下の4つの分野においてです。

(1)新技術、新産業が生まれる。

(2)世界経済が変わる。

(3)社会と政治が変わる。

(4)最も重要なこととして、知識の性格が変わる。

 21世紀を過ぎた現在になって読み返してみても、世の中はドラッカーの指摘どおりになっていることがわかるかと思います。そして現代を過ごしている私たちにとって、上記は当然のことの様に感じてしまい、認識しなおす機会がなければ気づくことができないかもしれません。
 そういった意味で本書を読むことは、楽しんで読むこと以上に今後の社会を考えるうえで役にも立つ一冊なのかと思っています。

グローバル化の時代についての考察

 本書では、経済のグローバル化についての考察に多くのページが費やされています。グローバル経済の出現から通貨の役割、そしてグローバル企業の必要性まで非常にダイナミックに考察しており、引き込まれるように読み進めることができます。そしてドラッカーは当時から早くも途上国の貧困にも注目しており、「グローバル化の時代」の同じ章で途上国と先刻の格差が拡大していることにも触れています。
 まさに現在にこそ主題になるようなテーマを盛り込んで語られており、グローバル経済について理解したいのであれば本章を読むことはとても近道になるのかなと個人的には思っています。

組織社会・知識労働の時代であることの認識

 断絶の時代を少しでも理解することができたら、そんな激動の時代で自分達がどの様に生き抜いていけば良いのかを考えたくなるかと思います。
 そのうえで非常に重要になってくるのが、組織社会が到来するということと肉体労働が知識労働に取って代わるということです。

 僕も現代を生きているので、この本を読まなくとも社会が組織や知識を必要としていることは認識できていました。しかしこの様に書籍を読んで再認識することで、それでは何に取り組まなければならないのか、という命題として自分事に置き換えて物事を考えることができるようになりました。
 そして本書は早くも1965年の段階で読者に示していたほどなので、その考察は本質を捉えておりこれからも役に立ち続ける内容になっています。今後も社会は激変を続けていくことが予想され、企業の社員ひとりひとりにも多くのことが必要とされるはずです。そんな時に考える基盤を持っておくことが充実した社会人生活にも繋がるかと思います。

最後に

 『断絶の時代』というタイトルから重厚なイメージを持ってしまいますが、本書は社会をしっかりと捉えるうえで非常に役立つ内容であり、一般の仕事に悩む会社員にとっても役に立つ一冊になっています。
内容は確かにボリュームがあるものですので、経済などに関心が高い人にとっては読みものとしての楽しみも加わり、より楽しめるのかと思います。

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