ベトナムではコーヒーが有名だということをご存知でしょうか。
ベトナムではカップに練乳をたっぷり入れ、そこに苦味の強い豆であるロブスタ種のコーヒーを注ぐ飲み方が好まれています。
ベトナムではビールに氷を入れて飲むという様な、数々の独特の文化があります。それは温暖な気候とフランスの影響が色濃く残る歴史がもたらした固有で貴重な文化なのです。
ベトナムコーヒーの特徴と飲み方|アイスコーヒーと練乳
熱帯に属するベトナムではホットコーヒーよりもアイスコーヒーの方が好まれます。
コップに氷と練乳をたっぷり入れ、その後に抽出されたほろ苦いコーヒーを注いでいきます。その後、マドラーやスプーンでカチャカチャと混ぜて飲むのがベトナム流のコーヒー文化です。
使われているコーヒー豆はロブスタ種であり、コーヒーらしいほろ苦い風味が強く、甘い練乳との相性が非常に良いとされています。
かつてベトナム北部のハノイに行ったことがありますが、カフェは街中の至る所に点在しており、多くの地元民がベトナムコーヒーを飲んでいました。
原付バイクの騒音を聴きながら、熱帯の生温い気温の朝に、巨大な扇風機の風を浴びて飲むベトナムコーヒーは今でも強く記憶に残っています。ベトナムでは「カフェ・スア・ダー(アイス・ミルク・コーヒーの意味)」と呼びます。
日本ではサンマルクカフェなどで飲むことができます。ベトナムの気候や騒音は再現できていませんが、非常に美味しいベトナムコーヒーです。
フランス植民地時代の影響|練乳とアイスコーヒーの歴史
ベトナムはフランスに統治されていた時代があります。
そのため飲食の文化はフランス料理と東南アジアのエスニック料理がミックスされたような独特さを帯びて、他にはない新たなジャンルの美食が生まれたのです。
コーヒーについても同様で、ベトナムの温暖な気候がコーヒー栽培に適していることに目を付けたフランス人たちが、ベトナムにもカフェ文化を浸透させていくことになります。
練乳をたっぷり入れる文化の起源もフランスとの歴史にあります。
暖かい気候のベトナムでは、生乳が手に入りにくかったため、フランス式のカフェラテをそのまま再現することが難しかったとされています。
このため、保存が効く缶入りの練乳を使用してカフェラテの代用として飲むようになったのです。
尚、ベトナムのなかでもバンメトートという街はコーヒーの生産が盛んで、コーヒーの街としても有名です。バンメトートはベトナム中部高原に位置する都市で、豊かな土壌と気候が高品質なコーヒー豆の生産を支えています。
ベトナムコーヒーが気に入った時には、バンメトートまで足を運んでみるのはいかがでしょうか。
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