喫茶店VSカフェ コーヒー(珈琲)の日本史

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コーヒー
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 日本では鎖国時にオランダとの交易でコーヒーがもたらされました。はじめは黒くて苦い飲み物として受け入れられなかったものの、文明開化後に多くの日本人が海外留学を経験してからは徐々に文化人たちの間で好まれるようなります。

 近代化に伴う日本の歴史とコーヒーの歴史をあわせて見てみると特徴的な文化が醸成されたということがわかるかと思います。

戦前のコーヒー黄金時代

 20世紀に入ると日本でもヨーロッパの様に音楽や文学を談義する文化交流の場として、カフェ文化が花開くようになりました。

 「プランタン」「パウリスタ」「ライオン」(現在のビアホール「銀座ライオン」)といった有名店が相次いで誕生しました。また、洋食店やホテルも急増したため、日本におけるコーヒーの消費量は一気に増加します。

ウインナーコーヒーの「ウインナー」とは何か。
現在の神保町の路地裏。いい感じである。

 東京では本の街として有名な神田・神保町エリアなどに当時の老舗カフェの名残りがまだ見られ、今では「レトロ喫茶」といった懐古的な新たな潮流で現代の若者にも好まれています。

 しかしその後の第二次世界大戦によって、コーヒーは贅沢品に指定されてしまいます。贅沢品の輸入は禁止されており、コーヒーは全てが輸入品なので当時の日本には完全に流通しなくなってしまいました。供給を絶たれてしまった喫茶店は閉店を余儀なくされてしまい、日本社会から喫茶店は姿を消してしまったのです。

高度経済成長下でのコーヒーの普及

 日本でコーヒーが一般に再び普及しはじめたのは1960年代になってからのことです。コーヒーの生豆の輸入が自由化されたことがきっかけでした。

 その後、日本は高度経済成長期に入ります。元々はゆったりとした時間のもと読書をするような喫茶店文化ではじまったコーヒー文化ですが、セルフサービスチェーン店の出現で様変わりしていきます。

 1980年(昭和55年)ドトールコーヒーショップの1号店が原宿にオープンします。ここから忙しい現代人に合わせたコーヒーの楽しみ方が、提供側にも消費者側にも現れるようになってきたのです。
 そして店舗だけでなくインスタントコーヒーや缶コーヒーも登場し、忙しく働いている日常のあらゆる場面でコーヒーが飲まれるようになりました。
 ちなみにカフェインに覚醒作用があることがこの消費を後押ししたのは言うまでもありません。

苦いのが苦手という人にまで

 1996年にはついにスターバックス1号店が銀座にオープンします。スターバックスは戦後に普及した日本のカフェとは異なり、長時間の自習やパソコン利用を制限することなしに長居ができるという、家庭や職場以外の居場所を提供するという新しいスタイルでした。

 特注したお洒落な家具で形成されたお洒落な空間では、かつての喫茶店のように会話を楽しむ人だけでなく、お一人様で読書や勉強、無料WiFiに接続して仕事に勤しむ人たちが、それぞれ思い思いのひと時をコーヒーを飲みながら過ごしています。

街中のお馴染みになった感があるほど普及している

 こういった空間的な特徴に加えて、カフェラテやカプチーノなど甘くて美味しい若者向けのドリンクにも力を入れ、日本の若者にも受け入れられるようになりました。今も多くの若者が苦くないスタバのドリンクをテイクアウトで持ち歩いている姿を良く見かけます。

まとめ

 こうしてコーヒーの近代史を眺めてみることで、日本人にも忙しくしていた時代とゆったりと文化的に過ごす時代が両方存在したんだということに気づくことができました。

 僕自身はどちらの楽しみ方も経験していますが、忙しい時代よりもゆったりと過ごせる時代をこれからは楽しみたいと願っています。

その他の関連記事

日本のコーヒー前史はこちらからどうぞ。

実際に神保町の老舗喫茶店に行った時の記事です。

アメリカも独自の文化を花開かせています。

参考文献

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