夏でも冬でも美味しいアイスクリーム。今やどこでも買える人気の商品で数多くの種類が販売されています。そんなアイスクリームですが、その起源はどこにあるのかご存知でしょうか。
アイスクリーム発祥の地はどこか
その答えは意外にも古代の中国にあります。

果物などを高山の雪などで凍らせ、氷菓として食べていたようです。当時は皇帝や貴族のようなごく一部の身分だけが楽しむ貴重な品でした。この氷菓の製法をマルコ・ポーロ(1254〜1324)がヨーロッパに持ち帰り、まずはイタリアのベネチアで評判に、そしてその後は北イタリア全土に広がっていきます。
しかしヨーロッパでも氷菓は貴重なもので、イタリアの大富豪メディチ家のカトリーヌ・ド・メディチの様なごく一部の者だけが嗜む高級品なのでした。
ヨーロッパへ拡がるアイスクリーム

イタリアからフランス、そしてイギリスへ
そんなメディチ家の王妃カトリーヌ・ド・メディチがフランス王アンリ2世に嫁ぎます。この時にフランスに連れて行ったコック達が今のフランス料理の基盤を作ったと言われており、アイスクリームも当然この時にフランスに伝わることになります。
そして婚姻の宴の際に出された果物のアイスクリームがフランス人達を驚かせるほどの美味しさだったのです。

その後アイスクリームはイギリスへも進出します。こちらもメディチ家が嫁ぐことで伝播した歴史が続きます。カトリーヌ・ド・メディチの孫娘であるアンリエット・マリーがイギリス王チャールズ1世と結婚し、その時にジェラート職人を連れて行きイギリス人からも大いに賞賛されることとなりました。
チャールズ1世はジェラート職人に「グラス・ナポリタン」という、バニラ、ストロベリー、チョコの三色で組み合わされた三色アイスを開発させました。これによりイギリスでのアイスクリームへの需要は急激に伸びていきます。
アメリカで発達するアイスクリーム
その後、アメリカへ渡ったアイスクリームの技術は独自の発展を遂げます。
尚、アメリカに渡った正確な起源はわかっていないそうですが、当時はヨーロッパから多くの移民がアメリカへ渡っているので、ある程度確立したヨーロッパのアイスクリームの食文化がアメリカまで伝わるのは当然の流れでしょう。

アメリカでのアイスクリームは産業として大きく発展するのですが、そのきっかけは余剰のクリームの処理がきっかけでした。余ったクリームの廃棄に困った牛乳屋のヤコブ・ラッセルが世界初のアイスクリーム工場を建設したのです。
その後、発展に大きく関係したのが禁酒法時代(1920年~1933年)で、多くのビール会社が禁酒法によりビールの製造ができなくなってしまい、代わりにアイスクリーム産業に参入する会社が激増します。これもアイスクリームの普及に一役買うかたちとなったのです。
最後に
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