9月頃から11月頃まで、紅葉が色づいて秋が深まった頃に出荷される日本酒を「ひやおろし」と言います。ひやおろしは一般的に貯蔵時と出荷前に行う火入れの工程を、貯蔵時の一回のみにして出荷前にはあえて火入れをしないという特徴があります。
そんなひやおろしと同じく火入れを一回だけにした日本酒に「寒おろし」があります。
日本酒の熟成サイクルから考えるとこの「寒おろし」は日本酒を最も熟成させて旨味が醸成された最終形態とも呼べる一品なのでした。今年こそは忙しさにかまけて「寒おろし」を見過ごさないよう気を付けたいものです。
寒おろしの特徴

秋になった頃に出荷前の火入れの工程をあえて行わない「ひやおろし」からさらに熟成期間を延ばし、ひやおろし同様に出荷前の火入れをしない日本酒のことを「寒おろし」といいます。
寒さが訪れて冬の気配を感じる立冬(2022年の立冬は、11月7日から11月21日)の頃から出荷されます。ひやおろしよりも数か月熟成期間が長いことになるので、旨味はより豊かになりまろやかさも完熟の域に達しています。
冬の味覚にあわせて楽しむ「寒おろし」は心も身体もじっくりと温めてくれます。
新酒と同時に店頭に並んでいる

秋めいてくると酒屋などでは「ひやおろし」の文字をよく目にするようになりますが、「寒おろし」はひやおろしほど世間に認知されていないように思います。
それは何故か。推測ではありますが、日本酒が製造されるサイクルは一年を通した工程で行われますが「寒おろし」が出荷される頃には、もう既に翌年の新酒も出荷される時期なのです。
新酒の生酒を「しぼりたて」と呼び、僕は例年ついつい「しぼりたて」を見つけては購入して飲んでいます。「しぼりたて」が「寒おろし」を見えにくくしているのかもしれません。
まとめ

本来立冬の季節以降は「寒おろし」の熟成された旨味と「しぼりたて」のフレッシュな味わいを飲み比べることができる、日本酒好きとしてはとっても貴重な季節だったのでした。
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冬の味覚も良いですが、安く済ませたい気持ちもあるはず。それなら湯豆腐が最高です。
最後に
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