燻製にすると美味しいものがたくさんありますが、そのなかでも最もおすすめなのがビールです。そう、ビールも燻すことができて、しっかりと商品化もされているのです。
それが「ラオホ」と呼ばれるビールです。
あまり手に入れやすくないので滅多には飲みませんが、大好きなビールなので見かけた時には必ずと言っていいほど買って飲みます。
ラオホビールとは? – 燻製ビールの魅力
ラオホはドイツ語で「Rauch(ラオホ)」と書き、「煙」という意味なんだそうです。そう、この「ラオホ」が「燻製のビール」です。
燻製なので確かにクセがありますが、それは燻製のお肉やチーズなども同じで慣れてくると病みつきになってきます。
ビールでスモーキーさを感じることができるのはこの「ラオホ」だけです。
燻製ビール「ラオホ」の歴史と製造過程
ビール造りの工程には麦芽を乾かす工程があり、これを焙燥(ばいそう)と呼びます。焙燥が終わったら次は焙煎の段階に入り、ビールに色がついていくのです。
昔はこの焙燥の時に覆いのない火の上に麦芽を晒して乾かしていました。そのため麦芽には煙がかかって燻製の風味がついていたのです。
19世紀頃から醸造技術も発展し、焙燥時に煙を別のところへ逃がせる窯が登場して主流となりました。それ以来、麦芽が燻製されることはなくなったのです。しかしラオホを地元の名物ビールとしているドイツのバンベルクでは、あえて覆いのない火の上で麦芽を焙燥させる手法を維持し、これを伝統としました。
これにより、現代では数少ない「燻製ビール」が生産され続けているのです。
ちなみに、ビールの色や風味は麦芽の焙煎工程によって大きく変わります。例えば、黒ビールはなぜ黒いのかという疑問については、別の記事で詳しく解説しています。
ラオホは伝統から現代のクラフトビールへ
伝統的なビールの製造方法とは対照的に、クラフトビールのような新しいビールの流行も見られます。
しかし、興味深いことに長い年月を経たことで、伝統的な製造方法であるラオホこそが現代の感覚で「クラフトビール」として再評価され、愛されるようになっています。
この逆転現象は、ビール愛好者たちが本物の味や製造背景に対する価値を再認識していることを示しています。
クラフトビールの流行はビール職人が醸造した個性的なビールとして、近年非常に人気が高まっていますが、その中でもラオホのような伝統的なビールが新たな価値として受け入れられているのは、非常に興味深く嬉しい現象ですね。
ドイツのバンベルク以外でのラオホの楽しみ方
代々伝統的にラオホの伝統を守ってきたのはドイツのバンベルクですが、現代ではクラフトビールとしてあらためてラオホを醸造するようになった酒造があります。
日本でも山梨県にある富士桜高原麦酒というブリュワリーがラオホを販売しています。
ラオホの味が気になる方はまずはこちらから飲んでみましょう。
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