エールとラガー|味の違いと製法

ビール
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日々の晩酌がビールという方もいれば、飲み会でとりあえずビールを頼むという方もいらっしゃるでしょう。

ビールが大好きでとにかく飲めれば幸せ、という方も自分はどんなビールが好きなのかを知ることで楽しみは拡がるはずです。今回は基本的な製法の違いによって分けられる「エール」と「ラガー」の違いをご説明します。

エールとラガーの味の違い

エールとラガー|味の違いと製法
エールとラガー|味の違いと製法

エールビールは甘めで濃厚な味わいがします。ちびちびと時間をかけて味わって飲むスタイルで、柑橘の香りを楽しむことも魅力です。また、色合いは濃いオレンジ色をしており炭酸も少ないため、ビールの炭酸が苦手という人にも適しています。

ラガービールは爽快感とともに少し苦味があります。キリっとしたのど越しが特徴です。色合いはイエローカラーで炭酸ガスがしゅわしゅわと湧きあがっています。冷やして飲むのがおすすめです。

私たち日本人がいつも日常的に飲んでいるのはほとんどが「ラガー」で、大手ビール会社4社(アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー)が出しているビールも全てラガービールです。飲食店で出されているビールもほとんどがこれら大手4社の樽詰め生ビールか瓶ビールのケース売りなので、自宅でビールを飲まない人にとっても日本人は基本的にラガーばかり飲んでいるという状況になっています。

最近になってヤッホーブルーイングという会社が「よなよなエール」を皮切りにエールビールを多く販売し、少しずつ日本でもエールビールが飲まれるようになってきました。

エールとラガーの発酵方法の違い

ビールを発酵する工程において、上面発酵と下面発酵という方法が存在します。この違いが「エール」と「ラガー」の違いになります。

ビールが造られる工程は、大麦を発芽させて麦芽にする「製麦(せいばく)」から、酵母を濾過して瓶詰め樽詰めするまで、複数の工程が存在します。エールとラガーの違いが決まる工程が、製麦したモルトを煮沸した後に酵母を投入する「発酵」というプロセスです。

タンクに入れた麦汁に酵母を投入すると、酵母が糖を食べてアルコールと炭酸ガスを排泄するのです。ビールの炭酸とアルコールはこうして生まれています。

上面発酵はエール、下面発酵はラガー

上面発酵で造られているビールを「エール」と呼び、下面発酵で造られているビールを「ラガー」と呼んでいます。これが「エール」と「ラガー」の違いとなります。

「上面発酵」という製法ではタンクの中に酵母を投入して発酵させる際、酵母が麦汁の表面(上面)に浮き上がっていきます。上面に酵母が浮き上がっていくから「上面発酵」と呼ばれています。

一方で「下面発酵」は発酵の際に酵母がタンクの底(下面)に沈んでいきます。下面に酵母が沈んでいくので「下面発酵」と呼ばれています。

上面発酵では発酵する時の温度は常温より高く、下面発酵では低温で発酵させます。下面発酵は低温で発酵させることにより雑菌繁殖の抑制できるので管理することが簡単になるため、近代の大量生産や冷蔵庫の普及と相性が良く日本では下面発酵のラガーが多数派となりました。

そのため日本では仕事終わりにビール(ラガー)を飲んで「ぷはぁ~」と爽快感を感じるスタイルが定着しています。そもそも冷やして製造されていることから、冷やして飲むことが相性が良いのです。

また、温暖な気候の東南アジアなどでもラガービールが主流で、うだるような暑さのなかラガーを飲むと非常に爽快感があります。一方でイギリスやアイルランドなどはパブの伝統が根強く残っており、未だにエールビールの人気が根強く続いています。

エールの方が歴史が深い

上述の下面発酵(ラガー)の製造における特徴が生かせるようになったのは、工場や冷蔵庫が普及した近代になってからです。

しかしビールには長い歴史があり、起源は古代にまで遡りますがラガーよりもエールの方が昔から行われていた製法なのです。ラガーが生まれたのは中世以降で、19世紀以降に急激に広まりました。

我々にとってはラガーが一般的でも、歴史においてはエールの方が長く親しまれてきたことがわかります。

まとめ

「エール」と「ラガー」の違いについて、下記に簡単にまとめてみました。

種類エールラガー
味わい濃厚爽快
飲み方ちびちび ゴクゴク
製法上面発酵下面発酵
生産方法小規模醸造大量生産
歴史古い新しい
主流な国イギリス・アイルランドなど日本・東南アジア諸国など

特徴を抑えておけばこれからのビール選びが楽しくなること間違いなしです。

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最後に

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