「生ビール」とは。サッポロ黒ラベルの歴史から知る。

「生ビール」とは。サッポロ黒ラベルの歴史から知る。ビール
「生ビール」とは。サッポロ黒ラベルの歴史から知る。
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 最も愛されているであろうお酒の生ビール。大人になると自然と飲み会の機会が訪れ、生ビールを飲むことになります。

 しかし何が「生」なのかはあまりはっきり意識されていない方が多いのではないでしょうか。

 「生中ください」「生もう一杯」といった呼び方を自然にしているので、もはや「そういうもの」くらいになっているようです。

 生ビールの「生」とは何なのか。数あるビール会社のなかでサッポロビールの歴史を紐解くと理解がしやすくなります。

缶ビールも生ビールだった

 初めに結論を述べると、生ビールの定義は「熱処理をしないビールのすべて」です。

 各ビール醸造会社がそれぞれ生ビールの定義をしていましたが、1979年に公正取引委員会が公示することで上記の定義に落ち着きました。

 そのため、缶ビールのパッケージに「生」「生ビール」「ドラフトビール」「非熱処理」といった表示がしてあるものは「生ビール」なのです。

 居酒屋でビールサーバーからジョッキに入れたものが生ビールだと思っていた人も多いのではないでしょうか。僕もそう思ってました。

 実際は製造方法にあったのですね。「生ビール」を缶に詰めたものを飲んでいるので、居酒屋に行かなくても日々ご自宅で生ビールを飲んでいたわけでした。

サッポロ「びん生」からサッポロ黒ラベルへ

 冒頭で述べた通り、生ビールが世間に広まった背景は、サッポロ黒ラベルの歴史を辿るとわかりやすいのでご紹介します。

 熱処理でビールが製造されていた当時、サッポロビールは「本当に美味しい生ビールを家庭でも味わってもらいたい」との想いで、熱処理ではなくセラミックフィルターを使用してろ過をした「サッポロびん生」を販売します。これが生ビールの普及に大きな影響をもたらします。

 「サッポロびん生」は、生ビールを瓶に詰めて販売したのもので、その瓶に貼られている特徴的なラベルが黒いラベルだったのです。これが当時お店でもよく飲まれるようになり、お客さんはこの「びん生」のことを「黒いラベルのビールちょうだい」と注文するように。

出典:三度注ぎやばい!!!! Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.

 この流れが瞬く間に定着し、いつしか「びん生」は「黒いラベルのビール」と呼ばれるようになりました。これが「サッポロ黒ラベル」の誕生です。「黒ラベル」はお客さんから愛されることにより名付けられた定番商品だったのです。

 ちなみにサッポロビールの星の由来は、開拓当時の北の大地北海道にて、北斗七星を頼りに開拓を進めていくというパイオニア精神がもとになっているそうです。あまりにも定番化しているのでその様な壮大な物語にはなかなか想像が及ばないものです。

熱処理のビールはサッポロ赤星

 今では黒ラベルが完全に定着したので、逆に熱処理のビールを飲んだことがないという方も多いかもしれません。

 しかし現在も熱処理のビールを好んでいる消費者は多く、酒屋や居酒屋によってはあえて取り揃えているところも多く存在します。それがサッポロの「赤星」と呼ばれるビールです。東京の西から新宿まで真っすぐに走っているJR中央線沿線の個人店には、赤星を置いている居酒屋が多く存在しています。関西でも立ち飲み屋などでよく見かけます。

Sapporolager0504a 1 Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.

 やはり常連のお客さんに赤星のファンが多いんだとか。そのため赤星が飲めるお店に入ると、昔からのお客さんを大切にしているといった印象を抱きます。

家では黒ラベル、焼き鳥屋では赤星

 自分の飲んでいるビールを振り返ってみると、自宅で飲む時は生ビールである「黒ラベル」を、外飲みをする焼き鳥屋では熱処理の「赤星」を好んで飲んでいることが多かったです。つまり家で「生」を飲んで、外で「非生」を飲んでいたのでした。

 お店に飲みに行くと美味しい生ビールが飲めるっていう、何となく抱いていたイメージは全く逆だったわけですね。ひとまずどちらも美味しくて僕は大好きなので、まぁいっかといったところです。

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最後に

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