経営学の創始者であり、「経営の神様」や「マネジメントの父」と呼ばれるP.F.ドラッカーの『経営者の条件』を紹介します。1964年に出版された本書ですが、現在にも通じる古典的名著であり多くの人に読み継がれています。
こんな人におすすめ
本書は組織で働くすべての人におすすめできる一冊ではありますが、あえておすすめするならこんな人におすすめしたいというリストを書いてみました。ぜひ参考していただき、あてはまるかもしれないと思ったらこれを機に読んでみてください。
仕事に悩むサラリーマン(普通の会社員)
『経営者の条件』というタイトルから経営者向けのビジネス書に思われがちですが、実は本書は普通に働く人向けの本なんです。どういうことかと言うと、肉体労働から知識労働に働き方がシフトした現代においては、会社という組織ではひとりひとりがエグゼクティブ(経営者)として活躍する必要がある、と説いた本なのです。
そのため現場で働いているため経営・マネジメントにはには携われていない、という人にも(そういう人にこそ)役に立つビジネス書となっています。そんな本書のメッセージは、出版から何十年も経過してその意義はますます重要になっていくように感じます。今後もその必要性は更に増していくことが予想されますので、未読の方はぜひお読みすることをおすすめします。
成果をあげたいと思っている人
ドラッカーの本が自己啓発の名著の様な文脈で紹介されているところをよく見るような気がします。
もしかしたら本書に紹介されている「成果をあげるための5つの条件」が、自己啓発書として認知されるようになったのかもしれません。ドラッカーが挙げる成果をあげるための5つの条件を下記に簡単にまとめました。
1.時間の管理をすること 2.貢献を意識すること 3.それぞれの強みを活かすこと 4.最も重要なことに集中すること 5.成果をあげる意思決定をすること
こんなところでしょうか。簡単にまとめてしまっているので、それぞれの深みのある学びはぜひ本書を読んで味わってほしいと思います。
僕はこのなかで時間の管理の大切さをあらためて学ぶことができましたし、自分の仕事が何に貢献するかを意識することで会社や社会との関わりを考えて働けることができるようになりました。実際に役に立ちましたし、やりがいまでも感じることができるようになった、まさに自己啓発に繋がったのかもしれません。
そしてドラッカーは、天賦の才がなくてもどんな人でも成果をあげることはできると言い切っておりこれこそが普通に働く人向けに書かれた名著たる理由なのかと思います。
最後に
ドラッカーがマネジメントを創始したのは、ヨーロッパからアメリカに逃れた経験に基づいており、マネジメントこそが全体主義に対抗し得る唯一の方法だと考えたからでした。
私たちは日々ストレスを抱えながら会社でこなすように仕事をしてしまいがちすが、ドラッカーの本を読むと本来の組織の在り方や社会への貢献を生き生きと感じることができ、日々の仕事に命が吹き込まれる思いがします。
日々の仕事にやる気が満ちている人にはもちろん、日々の仕事にやりがいを見出せない人や仕事に悩んでいる人にも、働く全ての人におすすめできる一冊になっています。ぜひ読んでみてください。
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