世界中で飲まれているコーヒーの起源はどこにあるかご存知でしょうか。
その答えはアフリカ東部に位置するエチオピアです。エチオピアにはコーヒーの原料であるコーヒーノキの原生林が今も生い茂っています。
エチオピアに起源を持つコーヒーが、どの様な歴史的背景を経て現在の様な世界的な普及を果たしたのでしょうか。
日本ではお馴染みとなった、あのカルディコーヒーにもコーヒーの起源に由来するエピソードが込められています。
エチオピアから始まる旅|食から飲み物へのコーヒーの歴史
コーヒーは非常に古くから飲まれており、正確な起源を知ることは不可能ですが、文献上では9世紀頃にコーヒーが飲まれている様子が記載されています。
古代エチオピアでコーヒーノキが自生していたにも関わらず、初期の住民はコーヒー豆を食用として利用しており、煮出して飲む現代の方法とは異なっていました。
コーヒー豆はエネルギーを与える食品として珍重され、特に長距離を移動する際に携帯食として利用されていたと考えられています。
この利用法は、イスラムの宗教者たちによってさらに発展を遂げました。彼らはコーヒー豆の別の利用法を発見し、集中力を高めるために飲用するようになったのです。
当初は限られた宗教コミュニティ内でのみ飲用されていましたが、宗教的な儀式や長時間の祈りを支える手段として、その使用は徐々に広まっていきました。
宗教者たちによって飲用されたことで、コーヒーは宗教の流布と共にエチオピアからイエメンへと伝播しました。そして13世紀には、焙煎という重要な技術が発明され、コーヒー豆から香り高く、味わい深い飲料を作り出す方法が確立されたのです。
この新たな飲料は、その後アラビア半島を越えて広がり、アジアとヨーロッパを結ぶ交易の中心地であるトルコにまで到達しました。
こうしてコーヒーは、世界中の人々に愛される飲み物へと進化を遂げたのです。
エチオピアの伝説|カルディとヤギべえのコーヒー発見物語
コーヒーの起源は諸説ありますが、ヤギ飼いの少年カルディという伝説があります。
9世紀にカルディというヤギ飼いの少年が赤い実を食べたヤギが興奮して飛び跳ねることに気づきました。
この赤い実はコーヒーの原料であるコーヒーチェリーです。カフェインを摂取してヤギが覚醒したのです。
この現象に驚いたカルディ少年が修道僧にこの事を相談したことから、コーヒー豆の効用が知られることになります。
現在、多くのファンが存在するカルディコーヒーファームの名前の由来がこのカルディ少年です。
カルディコーヒーのパッケージをよく見るとヤギのキャラクターが描かれていますが、このヤギは「ヤギべえ」という名前のようです。
カルディコーヒーファームやヤギべえのキャラクターは、この古い伝説にちなんで名付けられた現代のブランドであり、歴史的な物語と現代のマーケティングが融合した興味深い一例です。
そしてヨーロッパへ|世界に広がるエチオピアコーヒーの香り
その後、アラビア半島を北上したコーヒーは現在のトルコであるコンスタンティノープルまで辿り着き、トルコ風コーヒーとして進化します。
トルコは言わずと知れたアジアとヨーロッパの架け橋。文明の交差点と言われる国です。
ここからコーヒーはついにヨーロッパへと渡っていきます。ヨーロッパで初めてコーヒーが飲まれたのはイタリアです。
参考文献:ツウになる! コーヒーの教本/フワッティ・カフェ (著), 諸山泰三 (著)
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