「うちに帰ってもまた食べたい」カレーがイギリスに渡った歴史

カレー
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 カレーはもともとインドで食されていた食べ物ですが、世界中に拡がることになったのは世界が大航海時代に突入してからです。これはコーヒーなども同様のことが言えます。

 世界中に拡がる前、はじめに定着したのはイギリスであるという説が有力のようです。その経緯を簡単に紹介します。

「あの辛い料理がまた食べたい」イギリス人達の食欲

 はじめにインド国外へ持ち込まれたのはイギリスです。17世紀にイギリス東インド会社が設立され、インドの貿易や植民を独占的に行うようになると、現地インドにイギリス人の駐在員が多く派遣されるようになりました。

 彼らはインド人の妻を娶り、インドの文化に溶け込みながら生活を送るようになり、やがて「アングロ・インディアン」と呼ばれるようになりました。

 アングロ・インディアンたちはインドの料理人たちが作るカレーをライスにかけて食べるようになります。日常的にカレーを食べて生活していたために、カレーのあのスパイシーな香りや辛い味付けが脳内に刻まれたことは間違いありません。

 駐在の仕事を終えて本国に帰国してからも「あの辛い料理がまた食べたい」と考えるようになったようです。これがカレーがイギリスおよび世界に拡がるはじめのきっかけのようです。

あらかじめスパイスを調合しておく

出典:File:Warren Hastings greyscale.jpg via from wikipediacommons

 東インド会社の社員で初代インド総督のウォーレン・ヘイスティングスも、イギリスに帰ってからも「あの辛い料理がまた食べたい」と考えたうちの一人でした。

 インドからスパイスの混合粉末を持ち帰った最初の人物がヘイスティングスだと言われています。カレーの美味しさ恐るべしといったところです。

 インド人たちは現地でカレーを調理する際に、その都度スパイスを適切に調合して美味しいカレーを調理していました。しかしそのためには調理の技術が必要であり、それを真似して身に付けることは外国人であるイギリス人にとってなかなかハードルが高いものでした。

 そこでヘイスティングスが考えたのが、あらかじめスパイスをブレンドして粉末化するということ。これがカレー粉の発明のきっかけとなります。

 カレー粉はその後、イギリスのクロス・アンド・ブラックウェル社があらためてイギリス人好みの味に調合をしなおし、イギリス人の間で好評を得ることになります。

まとめ

 クセの強い味がある料理って記憶に強く定着しますよね。きっとヘイスティングスも、イギリスに帰ってふとした瞬間にカレーの味が脳内に蘇ってきていたのだと思います。

 そういった「記憶」が歴史を紡いでいると思うと非常に面白いです。おかげで私たちも美味しいカレーを簡単に食べられています。

最後に

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その後、カレーはどんどん多様に普及することになります。

「カレー(curry)」という語源について書いた記事です。

今やインド人もカレーを手で食べなくなっているそうです。

参考文献

カレーの世界史/井上岳久

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