今や定番になったカレールウはいつから使われているのでしょうか。軍隊や給食により日本全国に拡がることになったカレーは、その後カレールウの発売によって更に日本人の家庭にまで浸透していきます。今回はカレールウの歴史についてご紹介します。
1952年にベル食品「ベルカレールウ」が大ヒット
1952年にベル食品が発売した「ベルカレールウ」が大ヒットし、それ以降カレーは日本人にとって手軽な食べ物になりました。
「ベルカレールウ」は、板チョコの形状をしている固形カレールウで使い勝手が非常に良く、あっという間に一般家庭に浸透していきました。本来は手間暇をかけて複数のスパイスを調合する必要があったカレーが、鍋にポンと入れて煮込むだけで作れるようになったのです。
当時の日本は経済成長が始まった時期であり、各家庭で家事労働に多忙だった主婦たちのニーズに適確に応えた商品でした。
発売当時のカレールウ
当時のルウは、現在のものよりやや大きめで、1枚は8人分、これを4等分して使えるつくりになっていました。
「日本で最初に固形カレールウを創った」会社、ベル食品工業株式会社のHPです。
手軽に調理できるものを求めていた当時のニーズに対して、固形ルウはカレー粉のように分量を量る手間がなく、手軽に調理できる利点を提供できたのです。
カレールウの分類
ルウには主に3つの形状があります。
フレークとはカレー粉を粉砕したもので、鍋に入れた時に溶けやすく、ダマにならないのが特徴です。このなかでも最も一般化したのが固形ルウで、現在多くの人が思い浮かべる「カレールウ」はこの固形ルウでしょう。
多数のメーカーの参入
その後、他の食品メーカーもカレールウの販売に参入するようになります。1954年にヱスビー(エスビー)食品から「ヱスビー(エスビー)カレー」、1960年にハウス食品から「印度カレー」、江崎グリコから「グリコワンタッチカレー」、1961年にはキンケイから「明治キンケイカレー」という商品が次々と発売されることになります。
エスビー食品の「エスビーカレー」
ハウス食品の「印度カレー」
1965年には約3万3000トンだったカレールウの生産量1975年には約8万6000トン、1995年には約10万2000トンと右肩上がりに増えていきました。
インスタントラーメンが1958年、インスタントコーヒーが1960年の発売なので、1952年に発売したカレールウはそれよりも先立つ発売だったのです。インスタント食品の先駆け的な存在でした。
まとめ
その後もカレールウは日本の一般家庭に定着し続け、現在もカレーライスが国民食の座を守り続けています。発明から70年以上が経っているんですね。今後もしばらく定着しつづけるでしょう。
最後に
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インスタントコーヒーを開発したのも日本人です。
参考文献
カレーの世界史/井上岳久
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