ペールエールの中でも「インディアペールエール」と呼ばれるビールがあります。スペルは「IndiaPaleAle」で「IPA(アイピーエー)」と呼ばれています。
ペールエールは古くからの歴史ある製法で造られたビールです。このペールエールと、よく比較されるラガーとの違いについて詳しく知りたい方は「エールとラガーの違い」をご参照いただければと思います。
さて、IPA(インディアペールエール)には「インディア」という名前がついていますね。この「インディア」って何なのでしょうか。
IPAの独特な苦味と高いアルコール度数|その魅力を徹底解説
IPA(インディアペールエール)は通常のペールエールに比べて、アルコール濃度が高く(5.5%~7%以上が多い)ホップが多く含まれており香りと苦味がかなり強いのが特徴です。
ラガーよりもエールの方が好みで、尚且つガツンとした刺激が欲しいという人に向いているビールと言えます。
ペールエールなのに爽快感があってスッキリできるので、私もそうですが、ハマる人はがっつりハマるビールです。
ちなみに、アルコール度数が高いビールと言えば、世界一アルコール度数が高いビールがあるのをご存知でしょうか?詳しくは「世界一アルコール度数が高いビールについて」で紹介していますので、刺激を求めるタイプの方はどうぞ。
“インディア”の名前の由来とIPA(インディアペールエール)の歴史的背景
それでは、この様なビールが何故「インディアペールエール」と呼ばれるのでしょうか。インド人は宗教上の理由でお酒を飲まないにも関わらず、なんで「インディア」なのか。
その理由は歴史を紐解くとわかります。起源は大航海時代にまで遡ります。
イギリスが帝国主義政策でインドを植民地としていた時代に、植民地であるインドでもイギリス人たちはビールを飲みたいと思っていました。イギリス人は基本的にペールエールを飲んでいます。しかしイギリスからインドまでは長い距離があり、大航海時代にはコロンブスをはじめ多くの冒険者たちがインドを目指していたほどです。
そんなインドまでビールを運ぼうとすると当時は長い期間が必要となり、ビールの鮮度を保つことは極めて難しいことでした。そこで当時のイギリス人達は、ビールの原料のうちのひとつである、ホップを大量に投入することを思いつきました。ホップには防腐剤の役割があるからです。
防腐剤の役割で投入されたホップですが、機能的な役割だけではなく強い香りと苦みももたらすこととなります。そのため、必然的に強い香りと苦みまでも、ビールにつくこととなるのです。
これがIPA(インディアペールエール)の起源です。この香りと苦みがクセになるということからIPAは「インディア」の名前を冠したまま普及することになりました。
絶対に試してほしい!IPAのおすすめブランド3選
そんなIPAの中からいくつかおすすめを紹介します。
もちろんこれらは一般的なもので買い求めやすいものです。クラフトビールが流行し始めてから、たくさんの個性的なIPAが販売されているので自分好みのものをどんどん見つけていって欲しいと思います。
インドの青鬼|ヤッホーブルーイング
よなよなエーるで有名なヤッホーブルーイングが販売しているIPA。かなり苦味が強い個性的なIPAです。
箕面ビール|おさるIPA
大阪府箕面市にあるクラフトビール醸造所「箕面ビール」が販売しているIPA。
私も箕面大滝を見に行った帰りに、醸造所に立ち寄って一杯いただきましたが非常に美味しかったです。おさるのイラストがかわいいです。
PUNK IPA|BREWDOG醸造所
スコットランドの醸造所BREWDOGが販売しているIPA。
こちらはパンクな創業者二人がスコッチウイスキーの聖地スコットランドで新しいビール文化を創るという熱い想いをもとに造られたビールです。この醸造所の物語は最近ビジネス書にもなっているほど有名なもの。従来のビールのイメージを壊すパンクなデザインもカッコイイ一品。
IPA(インディアペールエール)の魅力まとめ|歴史と特徴を抑えよう
ペールエールが好きで、尚且つ刺激が強い個性を求める人にこそ、IPA(インディアペールエール)をおすすめしたいです。
その際には「インディア」という名前を冠する歴史と「ホップが大量に含まれている」という特徴を抑えておくと、IPAを飲むうえでより楽しむことができるはずです。
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