キンキンに冷えたビールを飲みたい気持ちはわかりますが、一般的にビールに氷は入れませんよね。
しかし東南アジアのベトナムではビールに氷を入れることが一般的な文化になっています。
ベトナムのビール文化とは|ビールに氷を入れる
ベトナム人はビールが大好きで年間のビール消費量はアジアでは日本に次ぐ第3位で世界でも第9位とのこと。
そんな彼らは我々とは異なり、ビールにカラんと氷を入れて飲んでいます。
確かにビールは冷えていると美味しいですが、氷が溶けて味や炭酸が薄まってしまうはずです。
それにも関わらず、ベトナムでは何故ビールに氷を入れるのでしょう。
ビールに氷を入れる理由
ベトナムは猛暑どころか酷暑に近い温暖な気候なので、ラガービールをキンキンに冷やして飲んだ方が美味しくビールを頂けます。
つまり、ベトナムの人々がビールに氷を入れる理由は単純に冷たくしてビールを飲みたいということに限ります。しかし、そうせざるを得ない事情もあります。
飲食店に大量のビールを冷やしておける冷蔵庫が設置できず、氷を入れることでビールを冷たくして飲んでいるのです。
実際に訪れたことがある人はわかると思いますが、ベトナムは非常に人口が多く街全体が混み入っています。飲食店も狭い場所ばかりです。
こういった地形と人口における事情と温暖な気候から氷を入れるという独特な文化が醸成されたのです。
また、ビールの味が苦手だという人も多く、氷を入れることによって味やアルコール分が薄まり、飲みやすくなるという理由もあるようです。
ちなみに、ラガービールとは何か、またそれがエールとはどのように異なるのかについて詳しく知りたい方は、エールとラガー|味の違いと製法についての記事を参照してください。
猛暑のベトナムでの氷入りビールの魅力
私も数年前にベトナム北部の都市ハノイを訪れたことがあります。もちろんビールは飲んだのですが、始めは味が薄いという印象を持っていました。
そして、旅を続けていると実際にビールに氷を入れる機会が訪れたのですが、その時に初めて「これもアリだな」と思えたことをよく覚えています。
ベトナムの様なものすごく暑い国にいると、ビールの味よりも清涼感を求めるようになり、薄くてもぬるくなってしまうよりは冷たいビールを飲みたい、そんな気持ちが強まります。
そのため、氷を入れるこの独特な文化にも何となく納得することができました。氷を入れてビールを飲む体験は、ぜひ日本ではなく現地ベトナムで試してみてください。
ベトナムの代表的なビールブランド
ベトナムにもたくさんの種類のビールがあります。いずれのビールも氷を入れて飲みたいラガービールです。
ベトナムで最もスタンダードなサイゴンビール。ビアサイゴンと呼びます。サイゴンはベトナム最大の経済都市ホーチミンの旧称です。
ベトナムの首都ハノイの名を冠したハノイビール。こちらはビアハノイと呼びます。香りが少し独特で個人的には好みです。
数字の3が三つ並んだ「333(バーバーバー)ビールです。すごくすっきりした味わいで、僕はこのビールこそ「ベトナムのビール」という印象を持っています。
ベトナムはフランスの植民地であった歴史があり、独特な文化が街に根付いています。ベトナムコーヒーなどはその最たる例でしょう。
多く人とバイクが行きかう街を眺めながら朝はベトナムコーヒーを嗜み、猛暑の中を歩き回ったらベトナムビールに氷を入れて涼む。そんなベトナム旅行にまた行きたいものです。
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