「チキンティッカマサラ」というカレーをご存知でしょうか。実はイギリスでは国民食と呼ばれているほど人気のカレーなんです。
このカレーは1960年代にイギリスのインド料理屋で誕生しました。あまり日本では聞き慣れないカレーですが、インドカレー屋へ行けばもちろん食べることができます。
イギリスの国民食にもなった大人気のチキンティッカマサラについて、簡単にご紹介しようと思います。
チキンティッカマサラとは|基本情報と起源について
「ティッカ」とは、スパイスに漬け込んだブロック肉のことを言います。
ヨーグルトやスパイスに漬け込んだ鶏肉のブロックである「ティッカ」をタンドール釜で焼き、それをトマトベースのカレーで煮込んだものが「チキンティッカマサラ」です。
酸味がありつつもクリーミーな味わいが絶品です。イギリスではレストランだけでなく、パブでも食べられている外食の定番となっています。
イギリスとカレーの深い関係|イギリスにおけるカレーの歴史と文化
発祥の地は、ロンドン、バーミンガム、グラスゴーなど諸説あるようですが、それら各地のインド料理店では店のシェフが客の男性から「肉がパサついている」と文句を言われていたようです。
それに対してシェフが肉にトマトソースやスパイスをたくさん絡めて提供したところ、これが評判となり、これが「チキンティッカマサラ」になったと言われています。(これには諸説あるようです。)
バターチキンカレーとチキンティッカマサラの違い|日本で食べるには
チキンティッカマサラはバターチキンカレーよりも、トマト味が強い点にあります。「ティッカ」をタンドール釜で焼き、それをトマトベースのカレーで煮込んでいるからです。
また、チキンティッカマサラはイギリスで生まれた料理ですが、バターチキンカレーは1950年代に3名のインド人が開発したレシピです。名称の違いはこういった発祥の経緯にも由来します。
そして、こんなにも美味しそうなチキンティッカマサラですが、日本ではあまり認知されていません。スーパーやコンビニのレトルトカレーのコーナーでも見かけない存在です。
それは、日本では「バターチキンカレー」の方が主流になっているからです。チキンティッカマサラとはよく似ていて、こちらはレトルトカレーのコーナーでもよく見かけます。
上述の通り、調理法や味にそこまで大きな違いがない両者で既にバターチキンカレーが定着した日本には、チキンティッカマサラが入り込む余地がないのかもしれません。
そのため日本でチキンティッカマサラを食べたい場合はインドカレー屋まで足を運んで食べることにしましょう。イギリスからの逆輸入版を食べることができます。
そしてチキンティッカマサラを食べる時は「イギリスで生まれたカレーを食べている」と思いを馳せながら食べみてください。
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参考文献
カレーの世界史/井上岳久
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