カレーと言えばインドですが、世界各国でも様々な種類のカレーがあります。
日本だけでも独自のカレーがあります。例えばカレーうどん、スープカレー、カツカレーなど、それぞれ別の記事でも扱っています。
カレーは応用の効かせやすい食材であることと、世界中に拡がった長い歴史があるため世界中に普及しています。
普段は特に意識しないかもしれませんが、ざっくりと整理するだけで日頃の楽しみが増えるはずです。
白米にルウをかけたカレーライスだけでなく、様々な世界のカレーを堪能してみましょう。
世界のカレーの種類と特徴|カレーの歴史と世界での普及
世界で食べられているカレーは、主に3つの系統に分けることができます。
①インドカレー②欧風カレー③日本のカレーのように分け、下記のように更に細かく分けていくことが可能です。
カレーはもともと古代の時代からインド亜大陸で醸成されてきた食文化でしたが、コロンブスをきっかけに世界が大航海時代に突入したことによって、全世界へ流入することとなりました。
ヨーロッパではヨーロッパの文化に合わせた発展をして、日本でもご存知の通り独自の発展を遂げています。その他、アジア各国も同様です。
上記のように整理してみると、その地域に合わせたかたちで食されていることがわかるかと思います。
インドカレー|スパイスと地域性
インドは広大な国土を有しているので、インドカレーと言っても大きくは4つの地方に分かれます。それが北部、南部、ベンガル、ゴアです。
北部では小麦の生産が多く、主食もチャパティなどパンが主流です。そのためカレーはドロッとしたものが好まれます。
一方で南部では米の生産が多いため、ご飯にかけやすいようサラッとしたカレーが作られています。詳しく知りたい方は北インドと南インドのカレーの違いについての記事をご覧になってください。
ベンガル地方はインド東部のコルカタを中心とする地域で、この地域も米食が一般的です。この地域では淡水魚が豊富なので、魚介と米という日本人好みのカレーを食べることができます。
ゴアはインド南西部にあるポルトガルの影響を強く受けた地域で、料理もポルトガルの影響を強く受けています。「ビンダルー」という辛味と酸味が効いたカレーが有名です。ベンガルとゴアのカレーの魅力については別の記事でも詳しく書いています。
また、東南アジアのカレーはインド人が同地に持ち込んだカレーがアレンジされたものなので、インドカレーのカテゴリーに属します。タイのグリーンカレー、インドネシアとマレーシアのルンダン、ミャンマーのヒンなどがこれにあたります。
アジアにも様々な食文化があり、カレーをそれぞれの文化が見事に吸収しているため、非常にバラエティに富んだものになっています。
欧風カレー|洗練された調理とカレー粉
一般的に欧風カレーというのはイギリスのカレーのことを言います。日本と同様にライスとともに食べるのが特徴です。
インドカレーとの最大の違いは、調理の度にスパイスを混ぜ合わせるのではなく、既に混合済みの「カレー粉」を使用する点にあります。イギリスがインドを支配している時、イギリス人の駐在員がイギリスに帰国してから「あの辛い料理がまた食べたい」と考えたことがきっかけです。詳しくはイギリスとカレーについての記事で詳しく書いています。
また、実際にフランスではカレーはあまり定着しておらず、出汁(ブイヨン)をベースにしたりワインを隠し味にすることなど、フランス料理の手法をイギリスカレーに加えたものを「フレンチカレー」と呼んでいるに過ぎません。
このフランス風アレンジをイギリスカレーに加えたのは日本人であり、一般的に欧風カレーと呼ばれるようになったようです。
そのため、欧風カレー発祥のお店である「カレー専門店ボンディ」は、日本の東京都千代田区神田にあります。
日本のカレー|カレールウと和風の融合
日本のカレーの具にはジャガイモ・ニンジン・タマネギが使われており、ジャポニカ米の上にルウをかけてスプーンで食べるのが定番です。「カレーライス」と呼んでいます。また、福神漬けやらっきょうを添えるのも特徴でしょう。
異文化との出会いから始まり、近年では国民食と呼べるまでになりましたが、その全国普及の歴史は学校給食から始まります。
当時の日本は高度経済成長期ということもあり、カレールウも開発されて一般家庭にも定着するに至ります。
参考文献
カレーの世界史/井上武久
カレーの歴史/コリーン・テイラー・セン【著】竹田円【訳】
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