私たち日本人が大好きなカレーですが、本場インドではもちろん、世界中で愛されています。
一般的にカレーと言って思い浮かべるのは、白米にルウをかけたカレーライスや、インドカレー屋で出てくる、ナンとタンドリーチキンのカレーが多いかと思います。
しかし世界には本当に幅広い種類のカレーが存在し、現在もその幅を拡げ続けています。
幸い日本にも多くのカレー屋が存在します。もちろん自炊でも大活躍していることでしょう。カレーの基本知識を整理しておくと日々の食事が楽しくなることは間違いありません。今回はカレーの主食について整理してみたいと思います。
ご飯orパン|インディカ米からドーサまで
カレーにはスパイスやカレー粉を使うスパイスベースのものと、小麦粉、油、スパイスなどで構成されたルウベースがあります。
そして主食は大きな区分けとしてはご飯とパンで分かれますが、そのなかでも更に細かく分けることができます。簡単に分類すると下記の様になるでしょう。
カレーの構成要素の中から、主食となる部分について整理してみました。それぞれ簡単にご紹介します。
インディカ米の魅力
米粒が長くて粘り気が少ない米。南アジア、西アジア、アフリカ地域で栽培されており、炒めて調理されることやサフランライスやバターライスにして食べることが多いです。
なかでもインディカ米の一種でバスマティライスと呼ばれる米は繊細で優れた香りが魅力的で、カレーと合わせると抜群に美味しい一品となります。本場インドではこちらが主流なのです。
ちなみにこのバスマティーという名称は、「香りの女王」というヒンディー語に由来します。ビリヤニに使われるのもこのバスマティライスです。
ビリヤニについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
ジャポニカ米と日本のカレー文化
ジャポニカ米は、米粒が短く、粘り気がある特徴を持っています。この米は日本をはじめ、朝鮮半島や中国などの東アジア地域で主に栽培されています。
日本では、このジャポニカ米を使用したカレーライスが非常に人気があり、もはや定番になっています。
カレーはもともとインドやイギリスを経由して日本に伝わりましたが、日本独自のアレンジが加えられ、ジャポニカ米との相性も考慮されて、独特のカレー文化が形成されてきました。
日本でカレーがどのように普及していったのかというと、戦争と給食が背景にある、非常に興味深い歴史があります。
詳しい歴史や背景については、「カレーライスが日本を変えた|給食から始まった国民食の歴史」をご参照ください。
ナン|タンドリー釜の魔法で生まれる極上の食感
ナンは、小麦粉を主成分とした発酵させた生地を、特有のタンドリー釜で焼き上げるインドの伝統的なパンです。
タンドリー釜の高温で瞬時に焼き上げられることで、外はサクッと、中はもちもちとした食感が楽しめます。
日本のインドカレー店ではよく見かけるナンですが、実は本場インドでは都市部を中心に食べられる富裕層向けの主食であり、街中ではあまり見かけないことも。
その理由として、タンドリー釜の設置が難しいことや、材料費が高いことが挙げられます。
チャパティ|シンプルながら深い小麦の風味
チャパティは、全粒粉を使用して作られる円形の薄いパンで、フライパンで焼かれます。
ナンとは異なり、発酵させずに作られるため、シンプルながらも小麦の風味をしっかりと感じることができます。
インドの家庭料理や屋台などでよく見かけるチャパティは、庶民的な存在として親しまれています。
ドーサ|サクサクのクレープから伝わる南インドの風味
ドーサは、米粉と豆の粉を混ぜ合わせて発酵させた生地を薄く広げ、クレープのように焼き上げた南インドの伝統的な料理です。
サクサクとした食感と独特の風味が特徴で、ココナッツチャツネやサンバールというスープとともに楽しまれます。
ご飯やパンだけに留まらない進化|カレーうどんからカリーブルストまで
カレーは多様性に富む料理であり、各国や地域によって独自のアレンジが施されています。
日本の「カレーうどん」は、うどんという国民食にカレーの風味を取り入れた独特の逸品。
一方、ドイツにはソーセージにカレーソースをかけた「カリーブルスト」、ジャマイカにはスパイスをまぶして焼いた「ジャークチキン」というカレー風味の料理が存在します。
これらの料理は、カレーの持つ普遍的な魅力がどのように異文化と融合し、新しい味を生み出しているかを示しています。
世界中で愛されるカレーの多様性を、これらの記事を通じてぜひ感じてみてください。
参考文献
カレーの世界史/井上武久
カレーの歴史/コリーン・テイラー・セン【著】竹田円【訳】
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