村上龍のおすすめ小説5冊

村上龍のおすすめ小説5冊おすすめの本
村上龍のおすすめ小説5冊
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 日本を代表する小説家である村上龍のおすすめ小説5冊を紹介します。村上龍はデビュー作である『限りなく透明に近いブルー』でいきなり芥川賞を受賞し、20代にして早くもベストセラー作家の仲間入りを果たします。しかしベストセラー作家と言えども小説の内容は決して大衆迎合的なものではなく、純文学や社会の本質を描くような作品ばかりで、その様なぶれない作風が未だに多くの読者に読み続けられている所以なのだと思います。

 さて、そんな村上龍はこれまでに長編小説を40冊以上出版しています。これだけ多いと何から読めば良いのか迷いますよね。今回はこれまで村上龍の小説を読んだことがない方のために、5冊に絞っておすすめの小説を紹介しようと思います。

小説家、村上龍について

 村上龍の小説は物事の本質に迫る生々しい文章が特徴の小説を書き続けています。それ故にいつの時代にも大きな話題となり、常に世の中に影響を与え続けています。そんな村上龍の小説について、どの様な特徴を抑えて読めばよいのか、個人的に思うポイントを簡単にご紹介します。もちろん読み飛ばしていただいて問題ありません(読み飛ばしたい方はこちらをクリック

村上龍・小説の楽しみ方
  • 社会と自分について深く考えるようになる
  • 生々しく現実的な描写を味わう
  • おまけ:同じ苗字村上春樹について

社会と自分について深く考えるようになる

 村上龍は2006年から日本社会への多大な影響力を持つ経営者や財界人を特集する、人気番組「カンブリア宮殿」のメインインタビュアーも務めています。もともと日本経済への造詣が深いメッセージを、小説を通して発信し続けてきていた彼にとってまさに天職の様に相応しいポジションに感じます。

 そんな村上龍の本業である小説は、どれも日本社会の問題を描いた作品ばかり。社会について論じられる時、その現場の人間の言葉や思いはなかなか世間に届きませんが、彼の小説を読むと社会問題のなかに血が通ったイメージを持つことができるようになります。そして作品を読み終えた時には、社会の事を自分事として見つめ直すことになる、力強いメッセージを感じるようになります。まさに仕事にも人生にも効く本なのかと思っています。

生々しく現実的な描写を味わう

 村上龍の小説は生々しくて現実的な描写に溢れています。そのため読み慣れない人にとっては少しとっつきにくいところがあるのかもしれません。しかしその文章力こそが彼の真骨頂であり、特に小説ではその特徴が存分に表れています。ぜひその魅力を味わってほしいところですが、難しいと思う方は中編の作品やエッセイから読み始めてみるのも良いかもしれません。

おまけ:同じ苗字、村上春樹について

 ちなみに、同じ苗字で同世代の村上春樹氏とは当時から「ダブル村上」と言われて比較されることが多くあります。2人に血縁関係はありませんが、親交も深いようで先日は村上龍が出演しているTV番組「カンブリア宮殿」で、村上春樹に淹れてもらったコーヒーがとても美味しかったというエピソードを話していました。

おすすめ小説5冊

それでは、村上龍のおすすめ小説5冊を順番に紹介していきます。

⑤限りなく透明に近いブルー

 村上龍のデビュー作で芥川賞受賞作の『限りなく透明に近いブルー』。米軍基地の街である東京都福生市での経験をもとに、当時の若者たちの暮らしを生々しく退廃的に描いた衝撃作です。当時あまり知られていなかった社会の現実が、デビューしたばかりの作家、村上龍によって生々しく描かれ当時は相当な衝撃だったようです。

④インザミソスープ

 外国人向けに新宿歌舞伎町のガイドをして暮らしていたケンジに、フランクというアメリカ人が依頼をするところから始まります。このフランクというアメリカ人を通して、当時の日本社会の闇がえぐられるように描かれていく、問題作ともいえる一冊です。一般的な代表作に比べると知名度は低いかもしれませんが、個人的には最も好きな1冊です。

③希望の国のエクソダス

 近未来の日本が舞台。中学生が集団不登校を起こし、インターネットを駆使して北海道で独立した社会を形成していくという物語。日本経済についてどっしりと考え込みたい人には特におすすめです。「この国には何でもある。ただ、『希望』だけがない」という印象的なセリフが全てを物語っている名作中の名作。

②コインロッカーベイビーズ

 デビュー3作品目であり、作家としての地位を不動のものにしたのが本作『コインロッカーベイビーズ』です。今尚、本作を村上龍さんの代表作と呼ぶ人も多く、著名人でも多くの人が本作から強い影響を受けたと公言しています。1971年以来、社会問題化したコインロッカーに乳幼児を置き去りにする事件を題材にした物語。主人公のキクとハシはそれぞれコインロッカーに遺棄された乳幼児であり、二人はコインロッカーの中から赤子ながらに自己の存在を周囲に知らせ無事に保護されます。そんな2人がそれぞれの生き方で当時の社会を生きていくという物語で、2人は既存の社会に強く反抗しながらそれぞれ力強く生き抜いていきます。

①五分後の世界

 歴史改変SF小説。1945年8月5日を境に現在と並行した別の世界が描かれています。作中では、誇り高き日本人達が世界に立ち向かい続けている、別次元の世界が描かれています。村上龍自身が最高傑作と言っている作品。

最後に

 村上龍の小説から個人的なおすすめを5冊紹介しました。力強い文章ばかりなので時に疲弊しながらもぜひ読んでほしいと思います。

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