インドとタイの間に位置するミャンマー。日本ではあまり知名度が高くなく、料理もすぐにイメージができないかもしれませんが、ミャンマーでも隣国インドやタイに負けないくらいカレーが食べられています。
「ミャンマーカレー」と言っても、インドやタイと同様に「カレー」とは外国人がその様に呼んでいるだけで、ミャンマーでは「ヒン」と呼ばれています。
「ヒン」はミャンマーの郷土料理であり家庭の味と言えるような存在で、「油戻し煮」という調理法で旨味のある味付けになっています。
ミャンマーのカレー「ヒン」とは|基本情報と起源
「ヒン」とはメインになる「おかず・お惣菜」を指した言葉です。
外国人が「カレー」の意味合いで「ヒン」と言っても便宜的にもちろん通じますが、スパイスが入っていなくてもミャンマーでは「ヒン」と呼んでいます。
タイも外国人向けに「タイカレー」と呼んでいますが、現地では「ゲーン」です。
玉ねぎやにんにく、トマトなどを油で炒め、豚肉、鶏肉、羊肉、魚、エビなどを入れて煮込むことで調理されます。
出汁がよく出るのが特徴で味がしっかりしており、日本人の味覚としてもとても美味しいと感じます。
写真は私が2018年に訪れた時に食べたヒンで、エビや淡水魚がたっぷり入った魚介のカレーで非常に美味しかったです。
独特の調理法「油戻し煮」|「ヒン」の特徴的な調理法とその魅力
ミャンマー独特の「油戻し煮」という調理法があります。「スィービャン」と呼ばれているようで、全ての水分が油で蒸発するまで炒めて煮込む手法です。
玉ねぎやにんにく、トマトをたっぷりの油で炒めた後に、お湯を入れて水分が無くなるまで煮込み、蒸発する際にカラメル状になった頃合いで出汁の良く出た美味しい「ヒン」となります。
日本人におすすめの理由|出汁と魚介とお米のカレー
ヒンは出汁が良く出ており、具材にも魚介がよく使用されています。
そしてミャンマーも主食はお米なので、僕も含めて日本人が好む味付けになっています。
インドのベンガル地方で食べられているカレーにも同様の日本人好みの特徴があります。
そして、ひとつだけ注意すべきなのはお腹を壊しやすい点です。「油戻し煮」は病みつきになる美味しさがありますが、当然極めて油っこい料理なので慣れていない日本人にとってはお腹を壊しやすい料理です。
ミャンマーは発展途上の国でもあるので、日本に比べて街中の衛生状況は決して良いとは言えません。私は海外旅行でお腹を壊さないタイプだったのですが、ミャンマーでは油にやられてしまいお腹を壊しました。
しかし、これも当時は「油戻し煮」のことを知らなかったためです。ある程度清潔に保たれたお店を見極めて食べれば問題はないでしょう。
しっかりと手を清潔に洗って、適度な量をゆっくりと食べるようにしましょう。食べ過ぎにも注意です。
日本ではまだまだ馴染みの薄いミャンマーですが、日本人好みの食事がある美しい多民族国家です。
大自然、心優しい人々、美味しい郷土料理、またいつか行きたい国のひとつです。
気に入ったらツイートしてねTweet
参考
出典:バーミーズ東京
コメント